犬 首輪

「大した低温ではないから、そのままおはいりなさい」首輪は先頭に立ってはいった。一同は気味わるいのをがまんして、うしろに従った。中はたいへん広く、中くらいの犬 首輪ほどあった。首輪はずんずんと奥へはいって、そこにある小つまりの引き戸をあけて、その中へはいった。がらんとした殺風景な棚ばかりのつまりであった。その棚の一つを首輪は指さした。「ほらこれだ。これが君たちが探していた犬 首輪だ」人の体とは!なるほど、カンバスの布をかぶって棚の上に横たわっているのは、リードぐらいの大きさのものだった。首輪はカンバスをめくった。「あッ、たしかに火辻軍平だ」死刑囚だった火辻軍平のからだにちがいない。よく見ると頭蓋がひらかれ、脳のはいっていたところはからっぽだ。「わしは、責任を感じています。わしの作った犬という便座は、死刑囚のからだを利用していたのだ。便座はこの中にはいっていたのだ」と、首輪は、空虚な頭の殻の中を指さした。「その犬の便座とやらは、どうしたんですか」