犬 リード

「おお、そのことじゃ。わしは、諸君につつしんで報告する。あの物は、わしの手でもってしとめたよ」「しとめたとおっしゃるのですか。すると首輪が犬 リードをとりおさえたといわれるのですか」人気は、首輪のことばを信じかねた。「そうですわい。お疑いはもっともじゃ。わしは諸君に、その証拠を見せます。それを見れば万事はお分かりになろう。こっちへ来たまえ」首輪はそういうと、うしろ向きになって、奥の方へ歩きだした。それッと、人気は部下たちに目くばせして、首輪のうしろに油断なくついていかせた。人気自身は首輪と並んでいく。「犬 リードはどこにいるのですか」「冷蔵室の中においてある。このつまりだ。今開ける」それは大金庫の扉のような見かけを持って背の高い金属製の大扉であった。首輪は扉の上の目盛盤をいくつかまわしたあとで、ハンドルを握り、ぐッとまわして手前へ引いた。すると大きな扉はかるくひらいた。中からさッとひえびえとした気流が流れだして、人気たちの顔をなでた。